ホテル業界は何故SNSで毒を吐きまくるのか?業界の闇を外の視点から読み解く

日ごろからSNSなどで怒り渦巻く宿泊業界の闇について、一度外から考察してみようとこの記事を書いてみました。

目次

宿泊業界の給与水準

前回の旅行業界の給与水準でも触れましたが、『35歳で年収550万円』を観光サービス業の労働組合で目指していますが、ここに届いていない大半の旅行会社と比較しても、宿泊業はおそらく更に低い水準にあると思われます。

2022年の年間ボーナスを比較すると、旅行業が約3ヶ月だったのに対して宿泊業は平均1.6ヶ月と、5割強に留まっているのが現状です。

まあ、そもそも、「給料安すぎてやってられんわ!」って思う気持ちが強くなるのは間違いないでしょう。

クレーマーに悩まされる宿泊業

とにかくクレーマーが対応に日々悩まされる宿泊業ですが、ツイッターなんか見てるととにかく罵詈雑言が飛び交ってて、『汚客が!』『職場のポンコツどもが!』って感じで、今なら全国旅行支援への恨み節と相まって、旅行業や航空、鉄道、飲食と比較してもかなり愚痴ツイートが多い印象です。

実際、コロナ禍以前でも、キャンセル料での揉め事や禁煙ルームでの喫煙、備品の破損や盗難など困りごとてんこ盛りで常時大変な業界で、レジで商品購入する小売店と違って滞在時間が長いだけに、多くの要望もこなさなければいけませんので、当然おかしな人なら長時間滞在すればそれだけおかしなことを言って来る時間も十分にありますしね。

宿泊業界分類

民泊がコロナ禍前あたりからかなり増えてきましたが、大きくは下記の2形態の宿泊施設が主流になります。

ホテル

ここ数年で一気に外資系ホテルチェーンが日本に増えてきて、旧態依然とした日本のホテルは苦戦を強いられています。

進化を止めた日系ホテルでは太刀打ちできない状態で、世界最大手のマリオットホテルズは会員制度と世界に広がるネットワークを武器に、高価格で高収益を得ながら顧客を囲い込む戦略で日本でも着実に会員を増やしています。アメックスと提携して自社ポイントを得られるクレジットカードの紹介制度などもうまく活用していて、割高な料金に気づかせないのもうまいな~と思っちゃいますね。

旅館

日本古来の宿泊形態。1泊2食が基本で、和室で大人数の定員で1人利用をあまり想定していない施設です。

個人旅行が全盛の今では全く時代にそぐわない形態のため、収益性が低く複数人で動ける週末利用に偏りがちです。一社で100軒以上保有する旅館チェーンは皆無です。

泊食分離で原価を見ていない宿もまだまだ多く、原価もどんぶり勘定で旧態依然とした経営の旅館が多いですね。

ただ、やっぱりたまには日本旅館に泊まりたいなって思いますけどね。

ホテルや旅館の問題点

ホテル・旅館業界は他の業種と比べて業界内での転職が非常に多い業界です。これは一見ステップアップが容易で適材適所、人材の流動化が行われるスマートな業界にも見えますが、逆に云えば自分のホテルに対して所属意識が芽生えにくく、今自分が居る職場を良くしていこうという気持ちをあまり持たなくなります。「もっと待遇のいいとこに行けばいいや」ってなりますからね。

この辺が日本を支えてきた製造業との大きな違いで、給与や待遇の改善が経営のさじ加減一つで決まっちゃう要因でしょうか。

宿泊業はいわゆる大企業が少ないため、メーカーは元より、私が居る旅行業界と比べても労働組合のある宿泊施設はかなり少ないのもまさにその辺につながっているのかも知れませんね。

又、経営者の方でも行政への苦言をSNSで発信されていますが、そもそも業界団体を通じて行政に要望を上げて行くの筋であって、業界団体がいくつにも分かれていたり政治に対する発言力が無かったりするのを改善していこうという推進力に欠けている様に見受けられます。

いい悪いは別になりますが、私が働く京都は比較的旅館組合が団結してて行政に対してもかなり強硬に今回の全国旅行支援での地域クーポンの発行を旅行会社側でやるべきだって言いたてて、実際そうなりました。こうやって団結で来た地域だけは、SNSで文句を言うだけで何も改善できなかったところと違って、団結して動くことで自分たちの手で無駄な労働を削減できた訳です。

結局、民主主義は数は力なんで、業界団体・労働組合共によわよわの宿泊業界は、私の様な関連業界で少し外から見た場合、個々人のステップアップを容易にしたのと引き換えに業界全体の発展を犠牲にしてしまった業界の様に見受けられます。

まとめ

私はコロナ禍になってからホテルに宿泊する機会が増えたんですが、外資系大手ホテルチェーンの予約を見ていて、最安値は事前支払いキャンセル不可や早めのキャンセルチャージ、前日や当日キャンセル可能なプランは2割程度高めの料金設定をしていることが結構あって、これは宿泊施設側にとってもそれを納得した上で申し込む宿泊客側にとってもお互いにとっていい様に感じました。

「あなただけ、今回だけ、特別ですよ」って言うのは嬉しい一方、今やSNSですぐにそれを自慢して発信しちゃう人も多いんで、表に出ても納得いただける公明正大なルールを決めておくことが必要になってくるんじゃないかなとは思います。

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この記事を書いた人

一匹旅で各地を転々とする旅ねこです。
勤めネコですが、仕事を含め国内、海外を問わずグルメや温泉をとことん満喫し、旅の出会いを楽しんでいます。若かりし頃情熱を燃やしたアイスホッケーを今も愛しており、アメリカ・カナダに行った際には必ずNHLを観戦しています。
I am travel cat . I am a cat who loves delicious food and hot springs.
I still love passionate ice hockey when I was young, and I always watch NHL when I go to the United States and Canada.

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