倒産の可能性が高い旅行会社はどこだ?各社の特性から見る経営安全度。

皆さんこんにちは、旅ねこです♪

Go To トラベルもあり旅行会社へ視線が集中している中、コロナ感染者は増加の一途を辿っており自粛要請が出ようものなら観光産業に最期の決定打を浴びせかねない状況です。そんな中で大切なお金を預けて大丈夫なの?って声に応えて、旅行会社売上上位12社をピックアップして旅行会社社員の視線から経営の安全性について見ていこうと思います。

尚、私の目線で検証していますが、これが絶対というものではありませんので、一つの参考として頂ければと思います。倒産はある日突然やって来ますからね。

※2021年4月追記:コロナ禍が既に1年以上に渡って続いていますが、一つだけ旅行業界に居る私の視点から注目すべき点を挙げておきたいと思います。これをどう判断するかは個々人に委ねますが、ニュース等でも幾つか出てきた情報を再度確認して頂くとある程度ヤバそうな会社は見えてくると思います。

未だ無責任に危ない会社を勧める公的機関があるのには驚きを禁じえませんが、所詮自分のお金では無い上、自分たちがお金を預かりたくないという無責任さから検証無く放置されている現状には危機感を頂いたが故のヒントがここに隠されていると思って頂ければ。

「債務超過」とは、債務者の負債総額が資産総額を上回っている状態。 つまり、全資産を売却しても負債を返済出来ない状態を云います。要は破産状態ですね。

企業はこうなる前に何らかの手を打たなければなりませんが、極端な話をすればこの様な状態になっても経営的に余裕のある親会社や金融機関などにお金を借り続けられれば企業は存続します。尤も、そんな企業にいつまでも融資をしてくれるお人好しな金融機関があればの話ですが。

但し、金融機関で無くてもお金を貸してくれるお人好しは実は存在しているんです。私の勤める会社も手掛けていますが、修学旅行なんかの旅行の積立金です

これがいわばキャッシュフロー(預かっているお金)として、債務超過状態でもお金が回る重要なファクターなんですね。

と、いう事は、何の検証も行っていない学校から勧められて修学旅行の積み立てを行っている生徒の保護者がそれに気づいて、債務超過に陥った旅行会社の積み立てを一斉に解約に走った時には何が起こるかってことなんです。

国や自治体など公的機関は債務超過の企業の入札は停止されますので問題は起こりにくいですが、この旅行積立は完全に野放しです。自分の預けたお金は自己責任で、というのが当然と云えば当然ですが、それを安易に保護者へ勧めた学校が責任を負うとは到底思えないのが現状です。

今はまだコロナに対応して補助や貸し付けがありますが、そろそろ一年後を見据えて状況をよく見極めた上で自己防衛をすべき時期に来ているのではないでしょうか?

先に結論

はっきり言います、コロナ感染が拡大して次に緊急事態宣言が出されて自粛要請が出れば、1万社あると言われている旅行会社全て危うい、というのがはっきりしています。

キャッシュフローと資産の差はあれど、次に休業が長引けばもはやそんな差異は微細な違いでしかありません。しかし全ての旅行会社が債務超過に陥ったとしても、生き残る可能性には差が出てきますので、それについてお話していきます。

上位12社比較表

社名 強み 弱点
JTB

https://www.jtbcorp.jp/jp/

個人・団体・MICE(学会)全てに強く、国や自治体にもがっちり食い込み各地域の観光協会に出向者がいるため情報を独占して利益率の高い仕事を多く持っている。電通の旅行会社版。資産を豊富に持っているのが強みですが、上場していないため現金化できる資産がどの位の割合あるのかは完全には把握出来ない。 エクスペディアに抜かれて世界一から転落後急速に順位を落としている。OTAにweb戦略で全く敵わない。現在はBooking.comが世界最大。海外宿泊在庫は一部エクスペディアに頼る。
KNT-CTホールディングス

https://www.kntcthd.co.jp/

JTBの小型版。近鉄グループで他に、都ホテルや近鉄、パルケエスパーニャ。観光協会にも入り込んでいる。 経営状態が思わしくなく、日本旅行との合併が破談になった過去あり。

海外には強くない。

HIS

https://www.his.co.jp/

海外とインバウンドの個人旅行売上が高い 国内や団体、自治体への浸透が全く無い。労働組合設立の動きが潰されるなど強権的で離職率が高い。国内旅行には弱い。
楽天

https://travel.rakuten.co.jp/corporate/

楽天トラベルは日立造船の子会社の一部門を当時楽天が100億円を大きく超える額で買収し、話題に。今は楽天本体が吸収する形になり、楽天市場と一体化したため、その資金力で驚くほど安い商品を提供。 旅行単体では利益が出ているとは思えないが、実態は不明。海外OTAには太刀打ち出来ていない。
日本旅行

https://www.nta.co.jp/company/

JR西日本の子会社。JR西日本利用時のメリットあり。ヴィアインとグランヴィアなどのJR西日本系ホテルにも強み。観光協会にも入り込んでいる。 経営が振るわずJR西日本の子会社になった経緯があり、パッケージ利用の個人旅行者主体で時代の波に乗り遅れる。JR西日本社員やJAF会員向けのなどの会員割引が多いため、パンフレットは高めの価格設定で一般顧客に対しては魅力が無い。海外に弱い。
阪急交通社

https://www.hankyu-travel.co.jp/outline/about.php

募集型旅行の雄。格安路線が主力で海外に強い。 個人主体のため団体が少なく自治体などへも入り込めていないため、コロナ渦では最も苦戦している。
JALパック

http://jalpak.jp/outline/index.html

JALの子会社のため、JAL路線では圧倒的強み。 JAL利用以外の旅行が殆どない。
ANAセールス

http://www.anas.co.jp/

ANA子会社のため、ANA路線では圧倒的な強み。 ANA利用以外の旅行が殆どない。
じゃらん(リクルートライフスタイル)

https://www.recruit-lifestyle.co.jp/

じゃらんの情報網や提携施設が強みで、日本旅行との提携によってJR利用のダイナミックパッケージも持っている。 楽天の様に全てを自社グループで賄える業態では無いため、グループの相乗効果が狙えない。
東武トップツアーズ

http://www.tobutoptours.co.jp/

修学旅行など団体特化型。東武鉄道グループだが、トップツアー(旧東急観光)と東武トラベルが合併(規模は2:1)して出来ているため、東武系列ホテルより東急系列ホテルとの結びつきが強い。 東武トラベルが一度破綻しており、2度目の破綻を回避すべく救済合併したため、利益率の低い個人向け駅内店舗を引き継いでしまって収益性が悪化している。海外に弱い。親会社の東武鉄道が鉄道としてはそれほど規模が大きくないため、バックとしてはやや不安。
JR東海ツアーズ

https://www.jrtours.co.jp/corporate/

JR東海とJTBが7:3で出資して設立された旅行会社。ぷらっとこだま以外にお得な商品は見当たらない。 JR東海絡み以外何も強みがない。
名鉄観光サービス

https://www.mwt.co.jp/

名古屋鉄道の子会社で、老人会に強い。 親会社の名古屋鉄道の規模は鉄道としてはかなり小さく支援は限定的。愛知県から出ると知名度が低すぎる。上位社に対しては、老人会に強い以外全く秀でたところが無い。

系列とグループ

売上上位の旅行会社の大半が運輸系の企業となっているのが旅行会社の特徴です。

JR系 日本旅行・JR東海ツアーズ
私鉄系 KNT-CTホールディングス・阪急交通社・東武トップツアーズ・名鉄観光サービス
航空会社系 JALパック・ANAセールス
独立系 JTB(JR東日本が一部株を持っていますが)・HIS
小売り・情報系 楽天・じゃらん(リクルート)

各社ごとのまとめ

各社の特徴はご理解頂けたと思いますが、開示されているIR情報などの分析はここでは敢えて行いません。というか、私は株もやらないのでその辺詳しくないもんで。

旅行者の皆さんにとって気になる点から言いますと、規模が大きいから安心かというと今回ばかりはそうとは言えません。

何故なら、インハウスエージェントと云われる、グループ会社の出張手配などを行うために設立された規模が小さい会社は、親会社によって救済される可能性が高いためです。例えば、菱和ダイヤモンド航空サービスという旅行会社がありますが、ここなんかは社員数100名にも満たない企業ですが三菱系列企業の出張業務などを請け負っており、郵船トラベルと三菱UFJ銀行が株主です。この状況でも来年度の新入社員も採用するようですし、こういった小中規模事業者の方が親会社が救済する場合も負担が少なく、状況が今より悪化してそれが継続した場合生き残る可能性は高いと私は思っています。

助けてくれる親会社が無いという事は、これまで安泰と思われていたJTBでさえ倒産する可能性が出てきているという事です。

尤も、キャッシュフローの観点から言うと、銀行借り入れは勿論ですが、JTB、KNT-CTホールディングス(近畿日本ツーリスト)、日本旅行、東武トップツアーズ、名鉄観光サービスの5社は旅行積立による預かり金がかなり多くありますのでキャッシュフローはすぐには枯渇することはありません。しかし、これも一斉に顧客が解約に走れば逆に取立て騒ぎの様な事になって一気に経営は悪化しますので絶対的なものとは言えません。只、その中でもGo To トラベルの事務局事業を請け負っている4社に関しては倒産の危機は少ないと私は見ています。その理由は、この事務局事業を請け負うことによって人件費を事務局経費から出してもらえるからです。つまり、この4社は現在殆ど動いていない法人団体部門の営業部隊をこちらに拠出する事で人件費が自社ではなくGo To 事務局から出して貰える訳です。そうなると、法人団体の営業部門を抱えている他社より人件費負担が少なくて済むというのが理由ですね。

旅行業を本体に取り込んでいるヤフーと楽天、場所貸し的事業のじゃらん(リクルートライフスタイル)の3社は旅行で食ってるわけでは無いため経営的に問題ないとして、詰まるところ旅行会社に関しては親会社やグループ会社に余裕があるかどうかが今回は一番大きな要因になると言えるでしょう。

中途半端な規模や安さだけでは暴風雨の中淘汰は避けられませんので、他では出来ない特殊性や専門性のある仕事をしていれば救いの手が差し伸べられる可能性もありますし、生き残る一つの鍵になるでしょう。私も日々の仕事にベストを尽くすつもりですが、仮に今いる会社に何が起こったとしてもどんな仕事でもやって生き抜こうと思っております(^^♪

勤め先、あると思うな、いつまでも♪

最新情報をチェックしよう!