皆さんこんにちは旅ねこです♪
今回は日本に2971ヶ所あると云われる温泉地の中で、良い温泉の見分け方や効果的な入り方について詳しく解説していきたいと思います。
温泉に入れば身体にいいって単純に思っていませんか?実はそうでは無いんですね。本当にいい温泉を見分ける方法を知って、効能や入り方を学べば、より健康的に入浴出来て日々の活力を取り戻せるので、少しマニアっぽくなりますがこの記事を読んで頂ければ、あなたも今日から温泉博士ですww
旅ねこが源泉かけ流しをお勧めする理由
温泉は地表に出てきて空気に触れたとたんに酸素に触れた瞬間から変化が始まります。
有馬温泉が無色透明なのに、湯船に注がれたとたん茶褐色に変色するのもその一例です。温泉に含まれていたカルシウムや硫黄、鉄分などが固まって沈殿したり、炭酸ガスが抜けていってしまう、湯船に浮かぶ湯の花などはその老化現象です。
ですが、それでも殺菌のために塩素をたっぷり投入して、循環させて何日も利用している空気に触れ続けた循環温泉と比べれば、湧いてきた温泉を湯船にそのまま注いで、湯船からあふれ出るに任せている『源泉かけ流し』とは、効能や鮮度で雲泥の差が出るのです。
鮮度のいい温泉に浸かったら、温泉成分を洗い落とさずにそのまま身体を拭いて上がるのが、より温泉の効能を長く持続させるコツになります。
但し、源泉かけ流しでも塩素消毒を行っていることもありますので、塩素消毒してたら良くない温泉って決めつけはいけません。
逆に循環風呂に入った際には、塩素を落とすためにもシャワーをしっかり浴びてから上がる様に気をつけましょうね。
温泉法
昭和23年に制定された「温泉法」というものがありまして、地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、以下の温度又は表の物質を有するものと定義されています。
湧出時摂氏25℃以上
物質名 | 含有量(1kg中) |
溶存物質(ガス性のものを除く。) | 総量1,000mg以上 |
遊離炭酸(CO2)(遊離二酸化炭素) | 250mg以上 |
リチウムイオン(Li+) | 1mg以上 |
ストロンチウムイオン(Sr2+) | 10mg以上 |
バリウムイオン(Ba2+) | 5mg以上 |
フェロ又はフェリイオン(Fe2+,Fe3+)(総鉄イオン) | 10mg以上 |
第一マンガンイオン(Mn2+)(マンガン(Ⅱ)イオン) | 10mg以上 |
水素イオン(H+) | 1mg以上 |
臭素イオン(Br–)(臭化物イオン) | 5mg以上 |
沃素イオン(I–)(ヨウ化物イオン) | 1mg以上 |
ふっ素イオン(F–)(フッ化物イオン) | 2mg以上 |
ヒドロひ酸イオン(HASO42-)(ヒ酸水素イオン) | 1.3mg以上 |
メタ亜ひ酸(HASO2) | 1mg以上 |
総硫黄(S) [HS–+S2O32-+H2Sに対応するもの] | 1mg以上 |
メタほう酸(HBO2) | 5mg以上 |
メタけい酸(H2SiO3) | 50mg以上 |
重炭酸そうだ(NaHCO3)(炭酸水素ナトリウム) | 340mg以上 |
ラドン(Rn) | 20(百億分の1キュリー単位)以上 |
ラジウム塩(Raとして) | 1億分の1mg以上 |
25℃未満であっても、表のいずれかの成分の含有量が基準を超えていれば温泉と認められます。又、25℃未満の場合は冷鉱泉と呼ばれています。
又、温泉は火山性と非火山性に大別され、非火山性は更に以下の2つに分類されています。
深層地下水型 | 化石海水型 |
地下の深度が深くなるほど地温が上昇する地下増温率と、マグマが冷えて出来た高温の岩石による地熱により地下水が温められたもの。 | 太古の地下変動などで古い海水が地中に閉じ込められたもの。火山や高温岩帯で温められたり、塩分を多量に含むことで温泉になる。 |
その他温泉法については環境省のホームページを参考下さい。
温泉の泉質一覧と効能
温泉の泉質については、昭和53年から主な化学成分を記した新泉質名を使う様環境省によって改定されており、現在10種類の泉質に分類されています。
泉質 | 特徴 |
単純泉 | 日本で最も多い温泉。成分が単純な訳では無く、含有量が一定量に達していない(溶存成分が1kg中1000mg以下)のもの。複雑な成分が混ざっており、身体に優しく刺激が少ない。pH8.5以上の物はアルカリ性単純泉 |
塩化物泉 | 温まりの湯。ナトリウムー塩化物泉は食塩泉を表す。保温・保湿効果が特徴。冷え性や体の痛みに効く。 |
炭酸水素塩泉 | 旧分類では重炭酸土類泉と重曹泉。重曹泉は皮膚表面を軟化し脂肪や分泌物を洗い流すクレンジング効果があるため、湯上り時に保湿が必要。重炭酸土類泉は鎮静効果があるため、炎症などを抑える働きがある。 |
硫酸塩泉 | 美人の湯と云われる保湿効果がある温泉。陽イオンの主成分によって若干性質に違いがある。ナトリウム系は化粧品にも入る成分。カルシウム系は鎮静作用があり乾燥肌向け。マグネシウム系は飲泉で血圧を下げる。 |
二酸化炭素泉 | 血行促進の湯。温度が低め。二酸化炭素が皮膚から直接浸透して末梢血管を広げ血行を良くしてくれる。デトックス・疲労回復・保温・保湿に効果あり。 |
含鉄泉 | 空気の触れると褐色に変わる。保温効果があるため、冷え性や貧血防止効果。含鉄や含アルミニウムなどあり |
硫黄泉 | 硫黄泉と硫化水素泉に分けられるがどちらもゆで卵が腐ったような匂いが特徴。毛細血管拡張作用があり、殺菌力が強く、皮脂を乳化して落とし、血液循環による代謝促進作用。便秘改善やデトックスなど。 |
酸性泉 | 殺菌作用が強い。ニキビ・水虫・痔に効果。肌を擦るのは厳禁。湯上り時にシャワーで洗い流す方が良い。 |
放射能泉 | 万病に効く。放射能を含むが微量で、免疫力を高めてくれる。 |
含よう素泉 | よう素はうがい薬などでおなじみで、殺菌作用が強く飲泉可能な湯では総コレステロールを抑制して体質改善に効果があると云われています。 |
良い温泉の見分け方
良い温泉を見つけるには、先ずは生きた温泉と死んだ温泉の違いを知る事から始まります。
天然温泉
天然温泉という表記については温泉法では定義はありません。一般的には天然温泉とは温泉成分が入っていて、人工温泉と云われるトロン温泉では無いっていう程度の意味しか無いと思っていいでしょう。
天然っていうと聞こえがいいから天然温泉を名乗ってるってのが正直なところです。まあ、天然温泉の表記があれば、99%源泉かけ流しじゃない死んだ温泉と云っていいでしょう。
因みに、天然温泉の審査は温泉施設側が用意した書類と温泉水ですので、不正があっても全く見抜けません(笑)
要は天然温泉をうたってるとこは泉質が売りの宿では無いってことね💡
只、注意が必要なのは、源泉かけ流しの浴槽を持ってる旅館でも、ホームページ上ではそれを明記して無い場合があります。これはホームページを外注したり、自分で作ってる場合でも、詳細に作ってなくて抜けてたり情報更新して無い旅館が結構あるってことです。
利用者は旅館(ホテル)のホームページを見て行くかどうか判断する訳ですから、ここで手を抜くと正しい情報がお客さんに伝わらずせっかくいいお湯があっても源泉かけ流しが好きな人は来てくれないことになりますので、小規模な施設さんだと中々手が回らないのかも知れませんが、この辺はきちんと作成して情報更新も適宜行ってほしいところです。
温泉分析書(成分表)から見る良い温泉の見分け方
各温泉には温泉分析書が掲示されていますので、それのどこを見れば良い温泉なのかを見分けることが出来るのかお教えしましょう♪
生きた温泉の代表例、岩手の大沢温泉さんの成分表を例に説明しますね♪
緑の矢印のところにある様に、加水・加温・ろ過全てしていませんと表記されてますね。これはかなり分かり易い表記で、全ての都道府県の表記がこんな風に分かり易くなってるといいんですけどね。
ごく稀に必要最小限の塩素消毒を行うと記載されてますが、これはお宿さんの良心の表れですね。
結構都道府県によって表示内容がまちまちなんでわかりにくくて困るんですが、加水や加温、循環表記が無い場合は以下の表記などがあればある程度見分けがつきます。
湧出量:当然湧出量が少なければ掛け流しには出来ませんから、少なければ循環させている場合が大半です。湧出量20㍑以下なら先ず加水と思って間違いないでしょう。
湧出:温泉の鮮度的には、自然湧出>動力揚湧>運び湯(タンクローリーなどで違う場所から運んでいる)
温泉付きビジネスホテルチェーンなんかは運び湯が多いですね。ぽかぽか感が持続しないんで、私もあんまり運び湯は好きじゃないですけど、仕事場の近くには手頃な温泉が無いんで、たまに利用することはありますが、旅先では殆ど利用しません。
成分表で見分けがつかない場合、浴槽でもある程度分かります。
塩素臭がきつければ当然循環です。又、浴槽からお湯があふれ出ていなければやはりかけ流しではありませんね。
但し、浴槽からお湯があふれ出ていても、洗い場にあふれ出たお湯を回収して循環させているとんでも施設もあるんで、絶対とは言い切れません。
まあ、施設さんに直接聞くのが一番手っ取り早くて間違いが少ないですね。その時口を濁せば怪しいですが(笑)
参考資料
参考・引用 | 出版 | 発行年 | 書籍又はホームページ(HP) |
環境省ー温泉の保護と利用 | ー--- | ー-- | HP |
温泉教授松田忠徳の日本百名湯 | 日本経済新聞社 | 2002年 | 書籍 |
自遊人ー温泉図鑑2004 | カラット | 2003年 | 書籍 |
自遊人ー温泉図鑑~温泉こそ元祖パワースポット | 自遊人 | 2010年 | 書籍 |
ぬる湯温泉ナビ | 辰巳出版 | 2020年 | 書籍 |
日本温泉協会 | ー--ー | ー-- | HP |
源泉湯宿を守る会 | ー--- | ー-- | HP |
日本温泉文化を守る会 | ー--- | ー-- | HP |
上記以外にも参考にさせて頂いているサイトや宿の予約サイトとしてよく利用する以下のサイトも紹介しておきますね。
【じゃらん】国内25,000軒の宿をネットで予約OK!2%ポイント還元!まとめ
温泉ならなんでも身体にいいって思ってた皆さん、実際には循環でも全く効能が無い訳ではありませんが、かなり効能は減殺されている上に塩素が身体に良くないため、湯上り時によくシャワーで洗い流す必要があることがお判り頂けましたでしょうか。
源泉かけ流しに私が拘るのもそこに理由があるんですね。
温泉天国ニッポンに住まう身として、良い温泉を知る事が良き温泉の拡大につながると信じて、これからも『源泉かけ流し』の温泉を訪ねる旅を続けて行こうと決意を新たにした旅ねこですニャン(=^・^=)
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