ども、旅ねこです♪
多くの方にとって久々の海外旅行に当たり、海外旅行保険について旅行保険の販売資格を持っている現役旅行会社社員である旅ねこが以前から懸念していた海外旅行保険についての注意点を解説していきます。
クレジットカード付帯保険で大丈夫か?
先に結論。持病の悪化や大きな事故には全く役に立ちません!
では、任意保険との大きな差はどこにあるか、説明しましょう。
⓵クレジットカード付帯保険は既往症(持病)が海外で悪化した場合は対象外になります。任意保険でも相当数の保険商品がが既往症をカバーしていません。
⓶クレジットカードの付帯保険では治療費が少なすぎる。
注意点:複数のクレジットカードを持っていても、障害死亡・後遺障害は合算されません。それ以外は合算して実際の損害額を上限として保険が支払われます。
では、順を追って解説していきますね。
旅行保険に入ることを強くお勧めする方
①若い方でクレジットカードの限度額が低い方。
クレジット付帯保険は多くが立て替え払いで帰国後請求のため、現地で支払いに窮することになる方が後を絶ちません。その点、旅行保険に加入した場合はキャッシュレス対応可能な保険会社が多いので、その辺を確認して入る様にしましょう。
②生命保険に入っていない方
疾病死亡がクレジット付帯保険には基本付帯していませんので、病気で死んだ場合に残された家族に迷惑が掛かります。遺体の搬送費もバカになりませんしね。
③持病がある方
先にも説明しましたが、既往症(持病)はクレジットカードの付帯保険の疾病治療は補償対象外です。
クレジットカード付帯保険比較
クレジット保険比較表
先ず、クレジットカードの多くは利用付帯(クレジットカードで旅行費用の一部を支払っていないと保険対象にならない)という点をお忘れなく。一部エポスカードの様に自動付帯のカードもありますが。
2022年版
2020年版
上記は旅好きな方が多く持っているクレジットカードの保険の補償を一覧表にしてみたものです。
やはり年会費の高いカードほど保証が手厚くなっているのが分かりますね。
しかし、その中で黄色で塗った『疾病死亡』がカード保険には一切付帯していないことにお気づき頂けたでしょうか?
海外で病気にかかった場合、治療費は補償対象になっていても死んじゃった場合1円も出ないってことなんですね。☆ここ、注意が必要です。
アジアなど1泊2泊の短期間での旅行で且つ、医療費が安いエリアであればカード付帯の保険で病気に掛かって発症する間もないので問題ないかも知れませんが、長めの旅行ではクレジットカードだけでは心もとないですね。
お薦めクレジットカード~充実した補償内容~
海外旅行に必携のクレジットカードは、dカードゴールドになります。下でそのスペックをご紹介しましょう。
dカードゴールドは航空便遅延補償が付いているんですね。このカード以外ではセゾンゴールド・アメリカン・エキスプレスも遅延・欠航補償が付いています。只、規約改定で今後条件改悪もあり得ますので常に最新情報をご自分で確認して下さいね。
任意保険~東京海上日動を例に~
ネットから拾ってきた東京海上日動の海外旅行保険の補償一覧です。
保険金額によって当然補償額はアップするのは当たり前ですが、カードの付帯保険では一切付いていなかった疾病死亡が殆どのセットプランに入ってますね。補償額が傷害時よりも低いのは、生命保険などをかけている人が比較的多いためあまり高い金額は必要が無いからですかね?
カード付帯の部分でも書きましたが、短期の海外旅行ではそこまで気にする必要は無いんですが、泊数が増えるにつれて日常とは違った環境の中で体調を崩したり持病が悪化したりする確率が増えていきます。
当然、新型コロナなどの感染症のリスクもありますし、潜伏期間を考えても3泊以上の旅行では必須と、私個人的には考えています。
後、任意保険のセットプランは高めの設定になっていますが、高いだけで意味がないとは言えず、海外でケガや病気で病院へ行った場合、医療事故を避けるため通訳が必須となる国が多い(アメリカなんかは通訳無しでは診察を断られました)んですが、そいうった費用もセットプランではほぼ含まれています。通訳代も1万円以上しますし、何より自分で探して病院行くのは至難の業です。カード会社の紹介病院は日本人が良く行くエリアにはありますが、ちょっと外れたエリアへ行った場合はこれ又ありませんので面倒が生じます。
そして何より、クレジット保険の場合立替え払い可か不可かは事前に把握しておきましょう。してくれないカード保険が多いのが実情で、一旦治療費を自分で払って後日請求の場合高額だと支払いが限度額を超える場合も出てきます。
東京海上のセットプランはキャッシュレスメディカルサービスが付いていて、支払いは基本東京海上が立て替えてくれます。
任意保険の比較
海外旅行保険を幾つか見ていきましょう。
東京海上日動火災代理店申込保険
上から4行目の応急治療・救援費用が既往症の悪化の場合の治療費を補償する保険になります。又、最低でも治療・救援費用が3000万円、殆どが無制限です。
尚、空港で設置されている旅行保険申込機でも既往症の対応保険を販売していますので、保険に入り忘れて家を出た場合は空港で保険を申し込みましょう。成田空港で見た限りは、東京海上日動火災以外の三井と損保ジャパンは非対応でした。
ネット専用保険のマリンパスポートはお安い保険ですが既往症には対応していませんので、既往症対応が良ければそれ以外の既往症対応商品で申し込みましょう。旅行会社の提携保険などは対応しているものがあります。
損保ジャパン
既往症には対応してません。
ジェイアイ傷害火災
ネット専用商品「たびほ」は既往症の悪化には対応していません。代理店申込型のプライムは対応。
さすがに旅行最大手JTBの50%出資の損保だけに、この辺を押さえている保険商品もありますね。
エイチ・エス保険
代理店申込型保険ですが、既往症には対応せず。
ネット専用保険も既往症に対応せず。旅行会社のHISの子会社ですが、この辺は格安旅行会社と最大手との差ですかね。
他の業界目線での記事はこちらになります。
まとめ
保険に対する考え方は、確率は低くてもたまたま当たったら一発で人生詰む場合に備えて入っておくものです。
私の仕事でもお客様が「クレジットカードの保険で十分だよ」っていう人が多くなっているのが最近気になっていたのがこの記事を書いた理由なんですが、海外旅行時の死亡原因は病気とケガがほぼ同数だってことを先ず認識しておいた方がいいのと、意外かもしれませんが脳卒中や心筋梗塞が原因の多くにあるのは、やはり想像以上に海外の慣れない環境下では体に負荷が掛かってしまっているという事です。
治療費はクレジットカードでは多くて300万円程度ですので、大きな事故で1千万円単位の治療費が必要になることも多い海外ではかなり心もとないと云えるでしょう。億単位の治療費なら人生一発アウトですよね💦
カードの補償だけでは足らずに海外旅行で破産する人も一定数いますし、事故にあってから保険に入っていないのに旅行会社にクレームをつけたり訴訟になっているケースも多々あります。
最近はクレジットカードの紹介でポイントをもらうアフィリエイトも多いため、クレジットカードのメリットの一つとして付帯している保険を挙げて入会を勧める方もいますが、正直なところクレジットカードの保険はおまけ程度のものと考えておくのが本筋です。
クレジットカードのアフィリエイトブログは多くありますが、付帯する保険を推して勧めている人で保険の販売資格を持っている人がどれだけいるのかも怪しいですので、クレジットカードの入会に当たって、保険に関しては省いて考えてもいいかの知れませんね。
保険の基本的な考え方は、確率は低くてもいざ事故や病気が起こった時に、今までケチった保険代を貯金して積み上げたとしても賄いきれない額の損害を補償してくれるかどうかです。
「海外旅行に於いて、任意保険はケチる項目では無い」と、強くお伝えしてこの記事を締めたいと思います。
外務省海外安全ホームページ⇒https://www.anzen.mofa.go.jp/
コメント